少し前ですが中国登山協会(CMA)の依頼で、
指導者講習会の講師をお願いしたいと依頼され3日間ほど北京へ出張して来ました。
訪れたのは万里の頂上に近い北京郊外にある国家登山基地。
いわゆるナショナルトレーニングセンター。
標高が少し高いせいか上海よりは随分涼しかったです。
この施設の歴史は古く多くの日本の登山関係者との関わりがある。
最近では日本のセッターも招集され短期講習が行われている。
今回は丁氏(中央ティンディン)と余氏(右2人目ジェーソン)からの招待。
特にティンディンとは中国国内で開催されたワールドカップとか何度も一緒にセットしたことがある仲、
と、言ってももう20数年程前の事ですが。
そんな彼らは現在CMAのユース担当の責任者。
大会の企画、育成、指導者養成等が主な仕事。
で、今回は全国から集まった子供達とその指導者20名程が2週間ほど夏合宿をしているので、
是非、指導者に対して講習をしてほしいと。
到着後は施設を一通り案内されたが、色々歴史があるようで、
古いタイプの壁はすでに5.6回は改装を重ねて現在に至ったらしい。
最初はただのコンクリート壁(神戸の登山研究所を真似したらしい)で、
ティンディン曰く30年前はここで毎日腕がパンパンになる迄トレーニングしてたんだとか。
現在は室内壁と東京オリンピック壁を模倣した壁もあり、
トレーニングルーム、宿泊施設、食堂、保養所等も兼ねそろえられていて、
普段はナショナルチームのメンバーのみしか使えない。
現在、中国では指導者の育成が全く出来ていないらしい。
実際新しい課題を作ってただ登らせているだけの感じの指導者も多くみられる。
今回は短期間なのでピンポイントで助言したり、実演して見せての対応。
夜には指導者とのディスカッションを通しての質疑応答。
以前にも記しましたが、
今後はセッターより指導者の方が需要は高くなっているのを感じる。
現実的に最近ではホールドさえあれば、
映像などを参考に、誰でもと言っては失礼だがある程度の課題は作れる。
ただ、皆、口を揃えて言うのはどうやったら強くなれるのか指導法を教えてくれと。
ただその課題を登れるようにするスキルトレーニングではなく、
理論的にクライミングを様々な面から上達するように教えられるか。
自分自身も改めてコーチングの重要性を再認識。
滞在中はちょうどオリンピックのクライミング競技開催期間。
子供達は全員集合で応援。
最終日上海に戻る前に少しだけ時間があったので、
いつもお世話になっていた北京市内のロックアワーへ。
3店舗目となるこのジムは3年ほど前にオープンした中国最大の民間ジム。
コロナ禍にジムのオーナーから壁のデザインの相談を受けて自分がアドバイスしていた。
ただ、コロナの影響や上海滞在が多くなったりと中々行く機会がなくやっと見る事が出来た。
壁のデザインも上手くいった感じで広さと言い内容も欧米規格。
平日の15時頃ながら結構人も入ってった。
残念ながら急な訪問だったのでオーナーとは会えませんでしたが、
北京滞在中はいつもお世話になってったGAGAさんと久しぶりの再会。
オーナーは現在上海に4店舗目を建設中。
上海益々面白くなりそうで今後が楽しみです。
続く。